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外来語から日本語へ

数年前、学生に「ポストイット買って来て」と、頼んだら通じず、「付箋紙」と言ったら、通じたことがあって、びっくりしたことがありました。これは以前ブログにも書きましたが
そして、最近、より多くの学生たちに囲まれて、普通に使われる言葉が「印刷」。「今朝、印刷機が故障していて、配布する資料が間に合いませんでした」という学生に、先生と私には「?」でしたが、文脈から「プリンター」のことを指していることがわかりました。私にしてみれば、「印刷」は印刷会社にあるような機械で出力することだからすんなり理解できなかったのです。先日も、講義の資料がホームページからダウンロードできる講義があるのですが、学生は「家には印刷機が無いから印刷できないんです」と言っていました。私たちの年代の人の言葉で言うなら「プリンターを持っていないので、プリントアウトできないんです」。そして、私が欲しい情報資料を持っていた学生に「その資料、コピーさせてもらっていい?」と聞くと「印刷機は上の階ですよ」といい、コピー機も印刷機なのです。私が発するコピーという言葉は通じていたが、ひょっとして彼らはコピーのことも印刷と言っているのかもしれないですが、そこは今度聞いてみることにしましょう。
付箋紙の例では、ポストイットは単なる1ブランドなので、「付箋紙」とした方が、正しい表現だと思います。これと似て北海道の人は傷に貼る絆創膏のことを「サビオ」と言うけど、これも死語なのかなぁ。これを例に倣って訳すなら「絆創膏?」でも、絆創膏はカーゼ等を固定する時に使うテープのイメージがあるので、私としては少し違います。東京で「サビオ」はやはり通じず、「それって、OQ絆って呼べってこと?」と大笑いされたことがあります。確かその時聞き返したら、「絆創膏か傷絆」って呼んでる気がしました。本当はなんて言うんでしょうね。
印刷機の例は、単なる日本語訳にとどまらず、複写も印刷に含まれると言う集約も起こっているんですね。パソコンが普及した現在、データのやり取りに、コピーなどの外来語が適用されて、紙媒体との区別のために、「印刷」と呼ばれるようになったのかもしれません。ここまで意識的に考えて区別されているとは思わないけど。データファイルもプリンターを選ぶ時にアクロバットでの出力も選ぶことができるから、これもpdf形式でのデータ書き出しと言うプリントアウト。
そうすると、コンピューターの世界は外来語、物質(主に紙)を媒介とする情報のやりとりに関する言葉は日本語のようになっていき、逆にそれに使用されていた印刷、複写、転写など出力と言う概念でひとくくりにできるような言葉はどんどん集約されていくのかもしれませんね?
by vrombir | 2009-01-12 13:52 | 日記diary

転がる石に苔むさないふうてんの気まぐれ雑記帳


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