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2/17クリスト講演会

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Drawing in Two Paris, (C)Christo,2005.

2/17クリスト講演会_f0009457_21245658.jpg景観を一変させてしまう大胆な発想と行動力で、世界を圧倒してきた現代アートの大重鎮クリスト。最愛のパートナーであるジャンヌ=クロードを昨年11月に亡くし、一人で来札。クリストとジャンヌ・クロード、二人でのユニットのはずが今は片割れでしかない辛さは本人以外の誰にも知り得ないとは思いますが、彼の講演はなお力強く、衰えを全く感じさせませんでした。そして、彼の講演の中で紹介される人称は「私たち」。ジャンヌは心の中で永遠に生き続けているのかもしれないなぁとも感じました。彼らの活動はとてもスケールが大きな分、国との交渉、地域との交渉、地域住民との交渉と資金集め等等ハードワーキングの連続。茨城でのアンブレラプロジェクトでは、住民の理解を得るために6000杯以上のお茶を飲んだそうです。そうした交渉のハードワーキングも彼らの作品の一部であるかのようです。アートプロジェクトを実施し、そのプロジェクトを示した図面や写真をコラージュした作品を制作、売却し、数億の売り上げを次のプロジェクト費用とし、生活は恒にギリギリという生活を繰り返して来たクリストとジャンヌ。
懇親会にもちょっぴり顔を出させてもらって、直接握手までしてもらい、とっても感激でした。ほぼ全ての稼ぎをアートプロジェクトに注ぎ、想像を絶するようなタフな交渉と努力を重ね、裕福な暮らしを選ぶこと無く、作品を作り続ける情熱はどこから来るのか、素朴に疑問だったので、尋ねてみました。「プロジェクトの実行は恒にハードな状況の連続だけど、作品作りのモチベーションはどこからくるのですか?」と聞くと、クリストは「アートは仕事ではないから動機づけは必要ないのです。アートは私にとって生きることそのものなのです(Art is living)」と答えられました。
"Art is living"・・・心に響きました。真のアーティストの言葉です。
会場では偶然2年ぶりに会う友人に偶然再会でき、とても嬉しかったです。そして、初めて会う方の中にも素敵な出会いがありました。彼女ももとはクラフトのアーティストだったそうですが、今はそれをサポートする側に回っているそうで、名刺交換すると叶多プランニングの社長さんでした。早速、HPを見てみるとなかなか面白そうなことをやっているようでした。今度、彼女のお店にも是非遊びに行ってみたいと思います。
この素敵な講演会は、北大の文学研究科芸術学講座と北海道芸術協会、札幌宮の森美術館、CAPSSの主催イベントでした。そのおかげで会場は北大だったため、自分の研究室からサンダル履きで聞きに行けてとてもお気軽でした(^^)北海道も北欧みたいにアートやデザインの1拠点になればいいのにと個人的には願ってやまないのですが。長い冬は人を内省的にするのでアートにはうってつけの環境だと思うのです。そのためにはもっともっとその土台となる文化振興や教育部分が、とわれるのだと思います。
by vrombir | 2010-02-17 23:27 | 北大Hokkaido univ.

転がる石に苔むさないふうてんの気まぐれ雑記帳


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