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ベルフラワーが咲きました。そして・・・

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ベランダの鉢植えのベルフラワーが昨日やっと1輪咲きました。そして、同日未明1番仲良しだったおじちゃんが亡くなりました。横たわるおじちゃんの顔には白いきれいな布がかかっていて、それをそっとめくると既におじちゃんは蝋人形のようになっていました。おばあちゃんが亡くなった時にも思いましたが、死んでしまった途端に死体と言う物体に変わってしまう状況に悲しさよりも空虚さで気持ちが塞ぎます。物書きであるおじちゃんは十年前に心臓病を患って以来、いろんな身体の事件に見回れ、入退院を繰り返していました。1年半前にも生死の境をさまようことがありましたが、奇跡的に命を取り留め、入院生活を余儀なくされつつも順調に回復していました。しかし、先月20日頃、肺炎を起こし、また、重篤の連絡を受けました。しかし、持ち前の生命力で数日後には様態が安定し、数々の危機を乗り越えて来たおじちゃんのこと、また回復できる!と信じていましたし、亡くなる前日も、もう大分良くなったので、個室から大部屋に戻りましょうかと言う話がお医者さんから出ていたほどでした。おじちゃんは病気と友達と言わんばかりに若い頃から病気に悩まされ続けた人生だったけど、何一つ弱音を吐くことも無く、飾らず、多くを語らず、いいものを書くために清貧を貫いた人でした。口数が極端に少ない人だったので、照れくさくておじちゃんと2人ではあまりよく話ができなかったなぁと思います。でも、時々しか返ってこない短い一言にいつも凝縮された温もりがあったような気がします。それに頭が良くて何でも良く知ってるのにそれをひけらかさないところも尊敬していました。今日がお通夜で明日がお別れ会(無宗教式)です。強いおじちゃんの心を見習って、少しでもそれに近づけるようになりたいと思います。
奇しくも私が撮影した写真が遺影として使われることになりました。おじちゃんがまだ元気で、自宅で過ごせていた頃、近所の桜の木の下で撮った写真です。撮った時には全くそんなこと予想もしなかったけれど。その日偶然持ち合わせていたカメラにまだ白黒フィルムが入っていたので、せっかく桜も満開なことだしと自然な雰囲気の中で撮影しました。そんな突然の思いつき撮影だったので、本当だったら満開の桜ならカラーの方が良かっただろうし、服だってひょっとしたらもっと素敵な服があったかもしれません。葬儀屋さんは、その写真を遺影に加工する時にカラー写真にも服を取り替えることもできると言っていましたが、シンプルな生き方をしたおじちゃんのことを思い何も加工を施さないことにしました。ちょっと複雑な気分ですが、自分の撮影した写真が使われるのを光栄に思います。
新しい小さな命が生まれ、また1つ命が消えました。
by vrombir | 2009-05-05 10:08 | 日記diary

転がる石に苔むさないふうてんの気まぐれ雑記帳


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